1/1 暁美ほむらの盾 製作日記

 2012年3月

 
まずは作品の簡単なイラスト(直径200mm)を作成。 次に大きさを決めるため、イラストを拡大コピーで、210・230・250・270mmと4種作り、裏に厚紙を張り、切抜き、輪ゴムを取付け、実際に腕に装着し倒福氏と打合せ。 結果、直径230mmと決定。

 
サイズ決定後、この型紙は倒福氏にプレゼント。 作品が完成するまでこれでナリキリプレイしてくれい。w 
 4月-1

 図面を230mmに書き換え、部品の素材・構造・加工方法を考える。

作品は使用に対して強度を得るため、極力部品点数を少なくし、構造はシンプルにすることを一番に考える。 レイハでも同じこと言ってるけど ^^;

 図面は2枚あるが、右側には倒福氏とのいろいろなアイデアが書かれている。





 4月-2
 
 作品の基部となるベースの作成。 素材は実家に転がっていた木板ww フライス盤と旋盤を何度も使い粗削りをする。 
 
※いろいろな店で原形に使えそうな厚さ30mmの板を探し回ったが売っていなかった。 あるとき実家に帰ったら、家の外に放置された厚さ40mmの板があった。 探し回った苦労は何!

 放置されてただけあって表面は汚かったのでフライス盤で両面1発削り、直径230mmのケガキを入れる。
←裏側




 フライス盤で荒削り
←表側

















 コンタで角を切断
←表側

















 裏側に旋盤取付け用の金具を取付ける


















 旋盤で加工

















 ヤスリやペーパーで仕上げて完成。この後、パテを盛り付け木目を消す。

 6月-1

 ギアユニットの作成。 230mmサイズにコピーした資料の上にギアを乗せてサイズと位置を決める。












 


 ギアユニットのベースを作成。
上の資料から寸法を測定し、プラ板を切り出す。















 モーターは、有名なマブチ製をチョイス。コストは高くなるが、品質第一。モーター軸径がギア軸径よりも細いので真ちゅうパイプを利用しスペーサーにする。 しかし、このままだとモーター軸とスペーサーは「円形」同士で引っかかりがなく空転するので、モーター軸の一部を潰し凹凸を付けて空転防止とする(事実、試作では瞬着を使ったにも関わらず空転した)。










 ゴムやチェーン駆動も考えていたが、経年劣化の伸びや切れで作動不全を起こしたくないので、フル・ギア・トレーン方式を採用した。


 このギアってのが曲者。ギア同士のピッチを詰め過ぎるとロックするし、開け過ぎると空転、軸穴も垂直に開けないとギアの噛み合いが悪くなってロックか空転、しかも調整で何度も軸穴を開け直すとベースがモロくなるし、調整マジ難しい。 てな理由で原形には軸穴用の凹(センター)を付け、また板厚を増やして対応。


 ユニット5個ぐらい作ってよ〜やくギアピッチの「コツ」を掴んできたよ。




6月-2
 
 ベースの内径面にプラ板を貼り付ける。 そこに、「コピーした図面をプラ板に張り付けて、その形に切り出したパーツ」を乗せる。 位置が決まれば小さい釘で固定。


 倒福さんから、「ワンフェス広告用の写真が欲しい」と言われたが、このレベルを撮影するわけにはいかないので、「字、字だけにしといて。 詳細はHP参照ってことでヨロシク」と返答。 

 流石に左写真をガイドブックに載せるわけにはいかんべ、笑われちゃうもん。





 魔力残量ゲージ周辺の作成
NC旋盤にて、アルミ材を削り出す。
 6月-3

 ベースにパテを盛り付け、木目を消す。
1回じゃ木目は消えないので何度か繰り返す。

 
 7月-1 

 原形完成。 これから型製作。


 














 ベース裏側
意外とシンプル。 補強のリブ(放射線状になってるヤツね)は忘れずに♪



 リブはリブだけにあらず。 今回のリブは補強・LEDステー・キャスト流れ促進の3役なのだ。パーツ点数省略化と軽量化のため。













 原形組み合わせ♪
 
 7月-2 

 型完成。
左はベース以外5点の型です。ベース以外は通常流しなので角形。















ベースの型。 遠心脱泡機仕様になっているので丸型。 

 通常と遠心、ちゃんと使い分けています。

 当初、230mmの形が複製できるかという問題が発生したが、実はそのためのレイハだった。レイハの製作は複製の限界をしるためのテスト造形。 つまり、レイハでの実績があるため、盾の複製はそんなに不安はなかった。  ただ、表と裏どちらを上にするか散々悩んだけど。








 複製作業

型を1日置いて乾燥させ、複製へ。
 7月-3

 LED発光テスト。 超高輝度LEDを使用・・・って明る過ぎ!。 ベースから光が透けているw 光度は抵抗を入れて調整。 明るいのは暗くできるけど、元々暗いのは明るくできないから ま、イイでしょ^^

 発光色は原作を見ると「ピンク」に近いが、LEDのパステルカラー系は破損(耐久力が低い)しやすいのでボツとし、赤色を採用。(写真を撮るとオレンジ色になるのはどうしてだろう?) 







 ギアユニットの発光テスト



 ※LED特性@ 
LEDの発光原理は電気をショートさせているのに近い状態なので燃える可能性があります。 必ず抵抗を入れて使いましょう。
 ※LED特性A
LEDはソーラーパネルのように発電するゾ(微弱)。光の方向にLEDを向けて端子にテスター(レンジは直流ボルト)をあてると針が動きます。
 だけど、発電は断然ソーラーパネルの方が効率いいです。
 7月-4

魔力残量ゲージの塗装
 7月-5

 裏ぶたの作成。 アルミや鉄板の使用考えていたが、コストや重量・加工のしやすさの観点から却下。 よって、アルミ複合板を採用。 これがけっこーイイ、大抵のホームセンター売っているので入手が楽。しかも、コストが安い。加工が容易。重量が軽い。強度がある。カラーが豊富。

 そして、この板を採用した最大の理由は、塗装の手間がかからないこと。 塗装すると色が剥げたり、衣類に付いたりして汚す可能性があるからね。 

 ※色がシルバーなのでLEDの光を反射し、内部をより明るくする相乗効果がありました。
 7月-6

 ベルトの作成。 ベルトは様々な腕の太さに対応するため、マジックテープを採用。 だが、それだけではダメ。 腕は筋肉の動きによって太さが変わるので、ある程度の締め付け力がないと外れてしまう。 よってバックルを追加して滑車の原理で簡単に締め付けられるようにした。

 









 裏ぶたとベルトに使用するボルトは超低頭ボルト(右側)を使用。普通のボルト(左側)を使うと、ベルトを締め付けとき、ボルトの頭が腕に食い込んで怪我をする可能性があるのでそれを防ぐのが目的。















 回転する機能を持たせるため、裏ぶたへの取付けは、ボルト1本。 しかし、マジックテープをボルト1本だけで止めると、ボルトを通している箇所から切れたり、縦・横に捻じれて本体がブレたりと問題が多々発生するので、プレート(白色)を付けてそれらの防止対策する。 さらにボルトの頭で衣類や腕を痛めないようにするため、プレートとマジックテープの間にボルトの頭が隠れるようにしています。
 7月-7

 盾内部の写真(展示品モデルなので余計な線が2本あります)。
もうこれだけ! シンプル イズ ベスト。

 中央の黒い円形がギアユニット。 メンテナンスを可能にするためネジ止めにしている。











 発光源のLED。補強リブをうまく活用しています♪ 電源は単4電池2本。














 配線は全てハンダ付け、及び収縮チューブで絶縁する。

 LEDの明る過ぎと電圧過多の為、10Ωの抵抗を2つ使い20Ωにして調整。 もう少し明るくしたい場合は抵抗を1つ取って10Ωにするといいです。(要ハンダ付け)

 収縮チューブが途中でなくなってしまったので色違いになってしまった(^^;)








 展示サンプルのため、配線が外に出ています。 裏ぶたの取付けは6ヶ所のネジ。当然、電池交換はこのネジを取らなきゃならんのよ。














 スイッチの説明。
1時の方向に付いているスライドスイッチは、可動セレクト。左/連続可動・中央/OFF・右/プッシュボタン可動。

2時の方向に付いているプッシュボタンは、上記のスイッチを右に選択したときに使用可能、押している間可動。
 7月-8

 完成!!!!!

 ハッキリ言って今回の作品は、原形〜塗装済み完成品を6〜7月のほぼ2ヶ月間で作ったようなもの。 めっさ疲れた〜〜

 また、製作にあたり倒福氏の多大なるご協力に大変感謝致します。

 ・・・でも、盾製作言い出したのは倒福さんだよネ。 

 完成品写真は、こちらを参照して下さい。

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